Workers K&T H MFG Co "Henry Neck Long, White/Black"
昨年から登場した、14番・空紡糸を使ったカットソーシリーズ。90年代のフランス製カットソーで見られたような硬く、しっかりとした生地。セントジェームスやオーチバルとは違う、もっとつるっとした表面の・・・とかげのマークでおなじみのフレンチブランド。あの雰囲気と言えばあの時代を生きた人ならわかっていただけると思います。

その素材を使って今年は一ひねり。水牛ボタンに碇刻印を入れたボタンでプルオーバーにしてみました。カットソーの型紙を作っていて一番悩むのがネック周り、ぐるりの寸法や巾（テン巾）です。頭は通らないといけない、かといってあまり大きくするとバランスがよろしくない。この問題を解決する一番簡単な方法がボートネックです。ただ、私自身はボートネックのカットソーを見ると「中に何着たら良いのだ・・・」と悩みます。Tシャツ・・・だとなんか変（クルーネックの中にちらっと見えるTシャツならそこまで気に成らないのですが）だしシャツを着るのも暑苦しい。一枚で着れば良いのでしょうが、加齢による体形変化＆首回りのたるみっぷりが気になりそれも・・・そんなことを考えているうちに、ヘンリーネックの機能性に気づきました。

着る時はボタンを開ければ頭が簡単に通る。着てしまった後はボタンを締めれば首回りが収まる。特にネックにリブが無いカットソーの場合、ある程度首回りを詰めて作っておかないと着こんで伸びた後がダルダルに成ってしまうのです。そんな機能性に加えて、春夏、マリンウェアらしさでボタンを作ってみたという一枚です。製品はOW済です。

昨年好評だった空紡糸を使った、バリッと、カラっとした極厚のカットソー。90年代、トカゲのマークでおなじみのブランドのあの生地の風合いです。
カットソーを作っていていつも思うのが「頭は通る寸法にしないといけない、でも首回りがだらっと成ってもいけない」
一番簡単な解決法は、横方向に大きく開口部を取ったボートネックです。でも、私自身あまりボートネックを着ない。中にTシャツ着れば見えるし、シャツ着ると暑苦しいし。
「首回りはしっかり沿っていて、でも頭を通すときだけは開く・・・何か方法は・・・そうだ、ヘンリーだ！」
やっとヘンリーネックの存在意義がわかりました。単にデザインではなく機能性があったのです。

表生地のボーダー、雰囲気がマリンウェア的なのでボタンもそれに合わせて水牛ボタンに碇刻印の物を作りました。水牛ボタン自体、一つ一つ、黒ベースに白の模様が入っている部分が違うので削ってもそれぞれ色が違います。あるものは全体的に黒、あるものは文字部分に一部白が浮いたりしています。

ネック部分、ある程度詰まっているのがわかります。Tシャツの首回りがギリギリ見えないぐらい。「きついな」と思えば、第一ボタンをはずしてもらえばOK。

世の中、首があまり詰まっていないカットソーが多いのですが、おっさんに成ってくると首回りの肌は絶対に見苦しくなります。すっきりと見せるには、ある程度布で隠した方がベター。（近所の85歳のカン止め屋のじいちゃんが夏に上半身裸でカン止め打ってるぐらいまで来ると、あれあれでかっこいいのですが）

碇ボタンをもう一度アップで。上のボタンは白い部分が文字に多く出て、下はほとんどでていない。

袖口・裾はベーシックな扁平縫い裏振り。ただ、縫う前に一度ロックをかけて、もう一度、扁平縫いで縫っているので伸びづらい。もともと、生地自体もかなりしっかりしているので、持ちは抜群です。

素材 9 ozオンス・コットン100％・ヘビー天竺
縫製 総スパン糸
ノンウォッシュ製品 MADE IN JAPAN

サイズS 肩幅45.0cm 身幅50.0cm 着丈65.0cm 袖丈61.0cm
サイズM 肩幅46.0cm 身幅53.0cm 着丈65.0cm 袖丈61.0cm
サイズ表

Workers K&T H MFG Co.
岡山を拠点にし、主にアメリカ物ワークアイテムを紹介しているブランドです。
実際のアイテムを調べる事はもちろん、そのアイテムを作っていたメーカーや現存する建物にまで足を運び歴史を調べ上げてアイテムづくりのヒントにしています。
生地やパーツにこだわり抜いた商品ながら非常にコストパフォーマンスの高いアイテムが特徴です。